早稲田ゆき議員の質問に対する大臣の答弁

2022年5月11日 (水) 厚生労働委員会

第6条の3 第17項の「児童の福祉に関し知識又は経験を有する者」について

(大臣)
委員ご指摘の規定(第6条の3 第17項)は子どもの意見表明等支援事業の定義規定でございますけれども、弁護士や社会福祉士等の専門職、ノウハウのある npo など多様なバックグラウンドを持つ人材が担うことを想定いたしております。このためこのような方を包摂する表現として児童の福祉と規定したものでございまして児童の福祉は委員ご指摘の通りで児童の権利を包含するものと認識しております。

同項で定める「意見表明等支援事業」と子どもの意見表明の尊重について

(大臣)
児童の権利に関する条約12条の理念も踏まえまして児童福祉法の第2条においては児童の年齢及び発達の程度に応じてその意見が尊重されその最善の利益が優先して考慮される旨が規定されておりまして、今回設ける児童相談所等の意見聴取等の義務や意見表明等支援事業もその趣旨を実現するために運用されていくものと考えております。
具体的には今般の児童福祉法改正法案において児童相談所等が一時保護や施設施設入所措置等の際に子どもの意見や意向を勘案して措置等を行うように意見聴取等義務を設けるとともに意見表明等支援員が上記の措置等の際や処遇について子どもの意見や意向を把握し必要な支援を行う旨の規定を設けております。
これらはそれぞれ子どもの最善の利益のため子どもの意見や意向を把握するために重要な制度でありまして委員が御指摘される通りで補完的な関係にあるものではないと認識を致しております。
その上で子どもの意見や意向についてはそれぞれの制度に基づきまして子どもの置かれた状況や子どものニーズに応じて意見表明等支援員や児童相談所関係施設の職員など適切な関係者が把握し適切な子どもへの支援につなげていくことが重要であるというふうに考えております。

「意見聴取その他これらの者の状況に応じた適切な方法により把握する」について

意見聴取が原則ではないかという御質問でございましたけれども、委員ご指摘の通り自ら意見を述べることが可能な子どもに対しては意見聴取が原則なされるものというふうに考えております。
子どもの意見表明等支援においては審議会等での議論を踏まえましてゼロ歳児や幼児等も対象としておりまして、そのような自ら意見を述べる能力が未熟な場合であっても言葉のみならずその対応や行動変化など客観的な状況を汲み取ることも想定しているため「児童に応じた適切な方法により意見また意向を把握」するものと規定を致しております。意見聴取以外の具体的な方法については今後現場の方々や有識者の意見等を踏まえまして施行までに検討をして参りたいというふうに考えております。

「これらの意見又は意向を勘案して」について

(大臣)
法律上の用例も踏まえて「意向等勘案」と法律案では規定したものでございまして勘案と考慮でその程度を比較して規定しているものではなく(勘案が)考慮より程度が劣るとも考えておりません。
また意思表明等支援事業において委員ご指摘の通り支援員は子どもの最善の利益のため子どもの立場にたってその意見意向を把握し行政機関や児童福祉施設に対して子どもの意見を代弁した上でその旨を関係機関等に伝達して連絡調整を行うことを規定したものでございます。

意見表明等支援員の専門性と養成、意見表明等支援事業の実施について

(大臣)
いま先生からご指摘もありました6つの点でございますけれども、昨年5月に取りまとめられた権利養護ワーキングチームの報告書において意見表明等支援員についてはエンパワーメント、子ども中心、独立性、守秘、平等、子どもの参画という、意見表明支援の基本原則を理解し身につけることが必要というふうに取りまとめをさせていただいております。
意見表明等支援員にはこのような専門性が必要であると認識しておりまして国としても意見表明等支援員の養成カリキュラムの例の作成等を通じて専門性が確保されるように、しっかりと支援をしてまいりたいというふうに思っております。
意見表明等支援事業については都道府県等における実施が進むように事業実施にあたってのガイドラインの策定を予定しております。可能な限り早くお示し自治体に準備していただけるよう検討していきたいというふうに考えております。
なお子どもの権利擁護に関してはこれまでも調査研究を実施し都道府県等にもお示ししておりまして、都道府県等においてこれらの活用も図っていただきたいというふうに考えております。
いずれにしても意見表明等支援事業のガイドラインの策定の前に様々な座談会を開くなど様々な方法を通じて意見表明等支援の取組について周知を進めていきたいと考えています。

意見表明等支援事業の独立性と子どもの権利擁護について

(大臣)
ご指摘の独立性については法文上明記されておりませんけれども、実際に一時保護や措置等を実施する児童相談所からの独立性が重要であると認識しておりまして社会保障審議会の専門委員会の報告書においても一定の独立性を担保する必要がある旨記載されています。今後施行に向けてガイドライン等の策定を検討してまいりますけれども、こうした考え方を自治体にも周知しまして子どもの権利擁護の観点に資する適切な運用が担保されるよう厚生労働省としてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

意見表明等支援事業を児童相談所が自ら行うことはない

(大臣)
ご認識の通り意見表明等支援を行うものは児童相談所からの独立性が求められるため児童相談所が自ら行うことは想定されておりません。