子どもの権利擁護に関するワーキングチームのとりまとめ

ワーキングチームのとりまとめは厚生労働省のサイトから読むことができます。

とりまとめの中から子どもの意見表明権の保障及び子どもアドボカシーに関する部分を引用すると以下の通りです。

「私たち抜きに私たちのことを決めないで」(Nothing about us without us)というメッセージがあるように、子どもの最善の利益を優先して考慮した福祉の保障を実現するには、子どもが意見を表明する機会が確保され、周囲の関係者が意見を聴き、適切に考慮・反映する環境が整えられることが前提となる。」(同3ページ)

「子どもは単独では意見を形成して外部に表明することが難しい場合もあり、意見表明の機会を確保しても、適切な意見表明支援が伴わなければ仕組みが有効に機能しないケースが生じ得る。このため、意見表明支援員の活動がそれらの機会に関与し、子どもの意見を代弁することで、子どもの意見が適切に関係機関に届けられるような仕組みを整備する必要がある。」(9ページ)

「児童福祉法上、都道府県等は、意見表明を支援する者の配置など子どもの意見表明を支援する環境の整備に努めなければならない旨を規定するべきである。さらに、こうした規定を踏まえた自治体の取り組み状況を踏まえつつ、意見表明支援員の配置義務化についても着実に検討を進めていくべきである。」(9ページ)

「意見表明支援員は、行政機関や児童福祉施設に対して子どもの意見を代弁し、時にはそれらの機関が行う決定や子どもの支援等について見直しや改善を働きかける役割を担うものであることから、それらの機関との間に利害関係が無いという意味での独立性が求められる。このため、意見表明支援の実施は児童相談所等とは別の機関が担うことを基本とすべきであり」(10ページ)

「意見表明支援員として活動するには、都道府県等が定める養成研修を修了することとし、当該研修カリキュラムにおいて、子どもの権利擁護や意見表明支援に関する基本的な考え方、実践のノウハウなどを学べるようにするべきである。具体的な研修カリキュラムについては、全ての自治体で一定水準が担保されるよう、既に取り組まれている民間のプロジェクトや自治体のモデル事業における養成研修の内容も参考にしながら、国において標準的な内容をガイドライン等で定めるべきである。少なくとも、意見表明支援に関する基本的考え方や、「エンパワメント」、「子ども中心」、「独立性」、「守秘」、「平等」、「子どもの参画」という意見表明支援の基本原則を理解し身につけることが必要である。」(11ページから12ページ)

「さらに、適切な意見表明支援を実施していくためには、高い専門性を有する有識者や相応の経験を積んだ意見表明支援員(スーパーバイザー)による指導・教育を通じて、継続的に意見表明支援のスキルを向上させていくことが重要であり、スーパーバイズを受けられる体制整備が必要である。」(12ページ)